クルアーンとは、天使ジブリールu(ガブリエル)がムハンマド(r)に伝授した、アッラーの御言葉です。
クルアーンは様々な点において、それ以前の啓典とは異なっています。以下にそれを挙げていってみましょう:
1)クルアーンは、最後の啓典です。ゆえにアッラーは最後の日まで、クルアーンを改変から守られるのです。ムスリムはアッラーが、クルアーンをあらゆる改竄や歪曲、付加や損傷などからお守りになる、ということを信じています。アッラー(I)はこう仰りました:
-実にわれら(アッラーのこと)は、訓戒(クルアーン)を下した。そしてわれらはその守護者なのである。,(クルアーン15:9)
2)クルアーンの朗唱は崇拝行為の一つと見なされます。そしてそれはまた、アッラーがクルアーンを守護される手段の一つでもあるのです。預言者ムハンマド(r)はこう言いました:
「クルアーンを朗誦する者は誰でも、十の報奨を得よう。“アリフ・ラーム・ミーム[1]”は一つの語なのではない。“アリフ”も“ラーム”も“ミーム”も、それぞれ一語なのである。」(アッ=ティルミズィーの伝承)
またクルアーンの暗記も、崇拝行為の一つと見なされます。預言者ムハンマド(r)はこう言いました:
「クルアーンを全然覚えていない者は、空っぽの家屋のようなものである。」
またクルアーンの重要性を認め、それを教授することもまた、崇拝行為の一つと見なされています。預言者ムハンマド(r)はこのように言っています:
「あなた方の内最善の者とは、クルアーンを学んで教える者である。」(アル=ブハーリーの伝承)
3)クルアーンはその実践において、社会を改善し、全人の幸福を保証するあらゆる法規定を包含しています。アッラー(I)はこう仰りました:
-そしてわれら(アッラーのこと)はあなたに、あらゆる物事への解明と正しい導き、そしてムスリムに対しての慈悲と福音ゆえに啓典(クルアーン)を下した。,(クルアーン16:89)
4)クルアーンはアーダムから預言者ムハンマド(r)に至るまで、諸々の使徒や預言者の逸話、彼らとその民の間に起こったことなどを収録しています。
5)クルアーンは全人類に向けて下されました。それは全人が平和と幸福に満たされた人生を送り、そして過ちという闇の中からイスラームの光へと救い出されることが出来るようになるためなのです。アッラー(I)はこう仰りました:
-アリフ・ラーム・ラー[2]。(これこそは)彼らの主のお許しのもと、人々を闇から光へと、そして偉大かつ讃美すべきお方(アッラーのこと)への道へと救い出すべく、われら(アッラーのこと)があなたに下した啓典である。,(クルアーン14:1)