クルアーンの中には、人間に自分自身の創造における性質に関して熟考することへといざなう章句が、沢山あります。そして人間を無からお創りになられる存在こそは、そこに再び生を与えることも可能なのです。アッラー(I)は仰っています:
-(信仰しない)人間は言う:「私が死んだ後、生きて(呼び)出されるだって?」人間は覚えていないのか?彼が以前存在していなかったにも関わらず、われら(アッラーのこと)は彼を創ったということを?,(クルアーン19:66-67)
またアッラーは人間に対し、一度枯れ果てて死んでしまった大地が、いかにして新鮮な作物を実らせるかについて熟慮することをお勧めになります。アッラー(I)は仰りました:
-そしてかれ(アッラーのこと)のみしるしの一つとして、あなたは大地が荒廃するのを見るであろう。そしてわれら(アッラーのこと)がそこに(雨)水を降らせれば、それ(大地)は振動し、隆起する。実にそれに生を与えられるお方こそは、死者にも生を与えられるお方である。かれには全てのことがお出来になるのだ。,(クルアーン41:39)
またアッラー(I)は、人間の創造よりも偉大である天地の創造について、人間が想念することを奨励されます。アッラー(I)はこう仰りました:
-彼らは天地を創造され、それらの創造で疲弊されることなどなかったアッラーが、死人に生を授けることがお出来になるとは考えないのか?いや、かれこそは全てのことがお出来になるお方なのである。,(クルアーン46:33)
また死からの復活の疑似体験であるかのような、睡眠からの目覚めについても思念することを勧めています。アッラー(I)はこう仰っています:
-アッラーはその(定められた)死期にある魂と、眠りの中にあるまだ死んではいないそれ(魂)をお召しになられる。そして死を定められたものは(その御許に)留め置き、そうではないものは既定の時期まで解き放たれる。実にこの中には熟考する民へのみしるしがあるのだ。,(クルアーン39:42)
アル=アース・ブン・ワーイルはある時、朽ちた骨を手にして預言者ムハンマド(r)のもとにやって来ました。そしてそれを粉々に砕いて見せると、こう言いました:
「ムハンマドよ!アッラーはこの骨が粉々になった後に、それを蘇らされるというのか?」彼は答えました:「ああ、アッラーはそれを元にお戻しになられる。アッラーこそはあなたに死を与え、その後に生を与え、それからあなたを地獄にお入れになるお方なのである。」
この伝承の伝承者は、ここでこう言っています:
「この出来事に関して、クルアーンの次の句が下されました:
-人間は、われら(アッラーのこと)が彼を一滴の精液から創ったということを考えないのか?それなのに彼は、(われらに対して)高らかに反駁する。そして(不信仰者は)自らの創造のことを忘れて、われらに向かって(死後の復活を否定する)譬え話をしてこう言う:「朽ち果てた骨を、一体誰が生き返らせるというのか?」言え、「それを最初に創造されたお方が、(また)それに生をお与えになるのだ。かれは全ての創造についてご存知であられる。かれこそはあなた方のために、緑樹から(採れるものから)火を生じしめられるお方である。ゆえにあなた方は、それによって火をおこすではないか。一体天地をお創りになられたお方が、彼ら(人間)のようなものを(その死後に再び)お創りになることが出来ないなどということがあろうか?いや、(出来るのである。)かれこそは創造者であり、全知なるお方なのだ。実にかれのご命令というものは、ただかれが何かをお望みになられた時に “あれ。”と仰られるだけで、それが実現するのである。その御手に全ての権威が属するお方の崇高さに、讃えあれ。そしてあなた方は、かれの御許へと還り行くのである。」,(クルアーン36:77-83)」(イブン・ヒッバーンによる伝承)