魂 は私たちが見ることも理解することも出来ない存在ですが、私たちはいくつかの証拠を目にするによって、その存在を信じています。魂は私たちの主(I)の存 在を示す、最大の証拠の一つです。また魂は、知覚によって捉えることが可能な実際的証拠を常に要求する、物質主義者らに対する論拠ともなります。というの も魂を知覚出来ていなくても、彼らはその存在を示すいくつかの証拠ゆえにその存在を信じているのです。魂は神秘の一つであり、アッラー以外の誰もその真実 を窺い知ることは出来ませんし、そうするためのいかなる努力も無益なのです。アッラー(I)はこう仰っています:
-彼らはあなた(ムハンマドr)に、魂について尋ねる。言うがよい、「魂はわが主の命によるもの。あなた方は知識を、ごく僅かしか与えられてはいないのだ。」,(クルアーン17:85)
ヒジュラ暦5世紀の学者アッ=ラーギブ・アル=アスファハーニーは、こう言っています:
「(魂 は)生命を与えられた肉体と共にあり、それと共に動き、その周囲のことを感じ取り、知識を得、ある種の意見を有し、善悪を識別する。もし人間が魂を失え ば、これらの特質を全て喪失することになり、ただ運搬されるだけの肉体と化してしまう…。それは肉体に属する肉体的特徴と同様、そこに精神的特徴が属して いるからなのである。」
骨格が形作られ、そこに肉が装着されるのは、この「ムドゥガ」の段階です。アッラー(I)はこう仰っています:
-そしてわれら(アッラーのこと)は…凝血から肉塊を、肉塊から骨を造り、そして骨の上に肉を着せた…,(クルアーン23: 14)
またアッラー(I)はクルアーンの中の説話において、こう言及されています:
-…そしてその骨を見よ。われら(アッラーのこと)がいかにそれを持ち上げ、そしてそこに肉を付けるかを(見るのだ)…,(クルアーン2:259)
胎児はアッラーがお定めになった時期まで成長を続け、その後この世界に生まれ出ます。アッラー(I)は仰りました:
-(審判の)時の知識は、かれ(アッラー)にのみ帰せられる。そしてかれが知らずしては、いかなる果実もその蔽いから姿を現すことなく、またいかなる女性(や雌体)も妊娠したり、分娩したりすることはない。,(クルアーン41:47)
またアッラー(I)は、こうも仰っています:
- そしてわれら(アッラーのこと)は人間(アーダム)を、泥土の抽出物から創造した。それから(アーダムとその子孫の)精子を堅固な置き場所(卵巣)に設 え、そして精子から凝血を、また凝血から肉塊を、肉塊から骨を造り、そして骨の上に肉を着せた。それからわれらは、また別の創造を完成させたのである。偉 大なるアッラー、最善の造形者よ。それからあなた方は死ぬのだ。そして審判の日に蘇されるのである。,(クルアーン23:12-16)
また別の句において、アッラー(I)はこう仰っています:
- 人々よ、もし復活を疑っているというのなら(考えてみよ)、実にわれら(アッラーのこと)はあなた方(の祖アーダム)を土塊から創造したのだ。そして (アーダムとその子孫の)精子から凝血を、また凝血から肉塊を造るが、(その肉塊は)完成することもあればそうはならないこともある。(これらは全て)わ れらがあなた方に(われらの威力を)明白に示すがためのもの。またわれらは(その肉塊を)、われらが望む一定の期限が来るまで子宮に据え、それから子供と して(胎内に)出す。それからあなた方は強壮(の時期)を迎えるが、あなた方の内のある者はその前に他界し、またある者は最も厭わしい年齢期にまで到達す る。そして物事を知った後に、また無知な状態へと舞い戻るのだ。またあなたは干からびた大地にわれらが雨が降らせると、それが振動して(そこから植物が芽 を出し)伸び上がり、あらゆる種類の麗しい植物が生育するのを見るのだ。これはアッラーこそが真理であり、かれが死者を生き返し、そしてかれが全能である からに他ならない。,(クルアーン22:5-6)
また下記の句が示すように、アッラー(I)は常に真実を語られます:
-われら(アッラーのこと)は彼らにとってそれ(クルアーン)が真理として明白になるまで、天地の彼方と彼ら自身の内において、われらのみしるしを見せよう。あなたの主が全てのことに対する証人であられるだけで、あなたには十分ではないのか?,(クルアーン41:53)
キース・ムーア[1]教授はその著「The Developing Human(発達する人間)」の中で、こう述べています:
「これらの言葉が神からムハンマドに伝達されたということは、明白であると思う。 これらの知識は全て、何世紀も後になって初めて発見されたものなのだ。 私はこの事実が、ムハンマドが神の使徒であったに違いないことを示していると思う。」
そして彼は、更にこう述べています:
「私自身は、彼にこのような発言をさせたものが、神的な霊感か、あるいは啓示であると見なすことに、いかなる困難も見出しません。」
[1] キース・ムーア博士は、カナダはトロント大学の、胎児発達学教授です。尚この引用文は、ムハンマド・アル=ムティーゥの著「I won Muhammad and did not lose the Messiah(私はメシアを失うことなくムハンマドを得た)」からのものです。