実際、ムスリムの学識者たちは、多くの理由によりイエス・キリストの予言を完全に満たしうるのは、ムハンマドだけであると述べています。そのいくつかについて言及してみると:
※ イエス・キリストが言及する「もう一人の弁護者」という表現は、聖霊(三位一体の第3位)に適用することはできません。聖霊(三位一体の一部分、キリスト 教徒が信仰する父なる神、キリストとして世に現れた子なる神、聖霊なる神)は聖書によれば以前、そしてイエス・キリストが伝道する間に見られるものです。 一方でここに述べられる「弁護者」とはそれよりも後に出現するものとされるのです。
※ さらに、ムハンマドは、罪を犯す人々に対して警告者として現れ、正義を貫くよう命じます。彼は「法」を「彼の右手」に携えた統治者であり、裁定者だったのです。
※ ムハンマドは、唯一真正の神へと人々を導きました。そして現世の目的、来世とその永遠性の真実など、多くの事柄について教示したのです。
※ 彼は、唯一なる存在(アッラー)により授けられた、数々の預言と奇跡を通じ、後に起こる出来事を私たちに示しました。
※ ムハンマドは預言者であり、勝手気ままにものを言うわけではありませんでした。彼は、自らを通して神が啓示した言葉、つまり、クルアーンの受け皿となりま した。そして、ムハンマドはアッラーの名において神の言葉を読誦します。聖書の予言では、このように述べられています。「彼は私の名において語りかけるで あろう」(申命記18:19)。事実、クルアーンの章は「アッラーの御名において」という表現で始まるのです。
※ ムハンマド、そしてクルアーンは、実際にイエス・キリストを高貴な存在として称えています。彼に敬意を表す意味も含め、ムスリムたちは自分の子供たちにイーサー(アラビア語でイエスを意味します)と名付けることを好むのです。
それに加え、あるユダヤ人が(キリストに洗礼を施した)バプテスマのヨハネにあなたは誰なのかと尋ねたところ、彼は自身をイエス・キリストでも、エリヤでも、その後に現れるという預言者でもないと否定します。
「−あなたは誰ですか?そして、ヨハネは打ち明けます。私はイエス・キリストではありません。そして、彼らは尋ねます。それならば、あなたはエリヤですか?彼は言います。−いいえ−。あなたはあの預言者ですか?彼は答えます。−違います−。」(ヨハネ 1:19−21)
再び、ムスリムの学識者たちは、この聖書の一節で言及されているその人物がムハンマドであると主張します。
「あなたはあの預言者ですか?彼はこう答えます。−違います−。」だとすれば、ここで言及される預言者とは誰なのでしょう? 明確なこととして「あの預言者」とはバプテスマのヨハネでもなければ、イエス・キリストでもないということをヨハネ自らが証言しているのです。